下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤は時間とともに進行します

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤とは、血管の大小に関わらず、静脈弁不全に伴って生じる血管の延長、拡張、屈曲または嚢状(のうじょう)に突出し肥厚した静脈のことです。下肢静脈瘤は、日本人の10人に1人の割合で起こる病気であり、妊娠・出産を経験した女性については2人に1人の割合で起こるとも言われています。

足のコブ血管が一番多い症状

下肢静脈瘤は罹患しても命に関わるような病気ではありませんが、足のだるさやむくみ、こむら返り、皮膚が黒く変色するなどといった初期症状がみられ、症状が進行すると皮膚が潰瘍を起こし、穴が開いて出血してしまうこともあります。

下肢静脈瘤の症状はごく初期であれば、生活習慣の改善やマッサージなどによって自然治癒することも稀にはありますが、放っておいて自然に治ることはありません。少しでも気になる症状があらわれた場合は、下肢静脈瘤専門のクリニックでの受診することをお勧めします。

初期症状と重症化症状

下肢静脈瘤はなぜできる?仕組みとメカニズムについて

静脈の血液の逆流を防止する弁の機能障害が、下肢静脈瘤を引き起こす

逆流防止弁が壊れることで発症

血管には、身体のすみずみへ血液を送るために活発に活動する「動脈」と、身体中に栄養素や酸素を送る役目を終えた血液を心臓に戻す「静脈」の2種類が存在します。下肢の静脈は、筋肉を収縮させる筋ポンプ作用によって血液を心臓まで戻していますが、重力の影響で血液が戻ってくることがないように、「静脈弁」と呼ばれる逆流防止弁によって血流をコントロールしています。

この静脈弁が機能しなくなる「静脈弁不全」になると、血液は重力に逆らえずに逆流してしまい、下肢の下の方に溜まって血管内の血液の量が増えることになります。この静脈弁が機能しなくなる「静脈弁不全」になると、血液は重力に逆らえずに逆流してしまい、下肢の下の方に溜まって血管内の血液の量が増えることになります。

逆流した血液は血管の中に溜まり、瘤(こぶ)状の静脈瘤となって足にさまざまな支障をきたします。これが下肢静脈瘤の仕組みです。

下肢静脈瘤の4つの原因

下肢静脈瘤ができる4つの原因とは

加齢・老化による体力の低下や筋力の衰え

加齢・老化による体力の低下および筋力の衰えなどは、下肢静脈瘤が起こる主な原因のひとつです。具体的には50代前後より、下肢静脈瘤が起こる割合は上がっていきます。
静脈内の逆流防止のための「静脈弁」は、コラーゲンおよび弾性線維で構成された軟部組織と呼ばれる強度の弱い組織であるため、年齢を重ねるごとに機能低下が起こり、下肢静脈瘤が発症しやすくなります。

下肢の筋ポンプ作用が低下する原因となる仕事

身体の運動が制限された立ち仕事やデスクワークの方は、血液のポンプ作用が働きにくく、血液の鬱滞(うったい)による静脈弁の負担が増加することにより下肢静脈瘤が発症しやすくなります。 具体的には、以下のような職種の方が、下肢静脈瘤の原因となる可能性があります。

・美容師
・販売員
・調理師
・教師
・キャビンアテンダント
・その他、1日の半分以上同じ姿勢(立ち仕事、デスクワーク等)が必要な職種

妊娠および出産による下肢静脈への負担

妊娠および出産による下肢静脈への負担は、下肢静脈瘤を罹患する原因として、特に女性の罹患率を大きく上げている要因になっています。妊娠および出産を経験した女性は、実に2人に1人の割合で罹患する可能性があるといわれています。
また、妊娠中はホルモンバランスの変化によって静脈が柔らかくなり、腹圧の上昇によっても「静脈弁」に負担がかかることになります。
※なお、妊娠の際にみられる静脈瘤は、例外的に自然治癒の能性もあるため、出産後(なくとも半年程度)は経過観察を行います。

遺伝

下肢静脈瘤は、遺伝する確率の高い病気です。両親ともに下肢静脈瘤の場合90%、片親が下肢静脈瘤の場合45%、両親とも違う場合20%に発症するとされています。なお、遺伝で発症する可能性のある方は、もともと「静脈弁」の機能が弱い場合があり、30代〜40代などの若い頃から発症する可能性があるため、注意が必要です。

その他の原因として、肥満によって血行が悪くなったり、便秘によって腸が拡大することで静脈を圧迫してしまったりする場合でも、下肢静脈瘤を発症する可能性があります。
心あたりのある方は初期症状を見逃さないように、十分に注意してください。

下肢静脈瘤の代表的な症状の分類と治療方法

下肢静脈瘤の代表的な症状としては、以下が挙げられます。

  • 足の血管に瘤(こぶ)がある
  • 足の血管がボコボコと浮き上がっている
  • 足の皮膚が黒ずんだり、色素沈着している箇所がある
  • 足が疲れやすく、痛くなったり、怠くなったりする
  • こむら返りが頻繁に起こる
  • 足の皮膚が潰瘍(やけどのような状態)になったり、出血がみられたりする

※上記の中でひとつでも気になる症状があれば、下肢静脈瘤の可能性があるため、当クリニックまでお気軽にご相談ください。

下肢静脈瘤の症状の分類

下肢静脈瘤の種類は主に「伏在型静脈瘤」「軽症静脈瘤」「陰部静脈瘤」の3つがあります。

伏在型(ふくざいがた)静脈瘤

大伏在静脈瘤(足首から太ももの内がわ)

「伏在型静脈瘤」は、足首から太ももの内側にかけて発生する「大伏在静脈瘤」と、ふくらはぎの後ろから膝の裏にかけて発生する「大小伏在静脈瘤」の2つがあります。これらは、進行した場合には循環障害を起こす可能性があるため、手術が必要です。

軽症静脈瘤

網目状静脈瘤/くもの巣状静脈瘤

「軽症静脈瘤」は、網目状やクモの巣状に、青白かったり、赤紫色になった血管が細く浮き上がってくる症状です。軽症なため、足への悪影響は強くありませんが、美容の観点から改善したいという場合には「硬化治療」によって治療を行うことが可能です。ただし、重症となり得る「伏在型静脈瘤」が合併していないか、念のため超音波検査を行うことをお勧めします。

陰部静脈瘤

陰部静脈瘤

「陰部静脈瘤」は、妊娠・出産を経験した女性にみられる、ホルモンバランスの変化によって起こる下肢静脈瘤の分類です。

・陰部周辺に静脈瘤ができる
・生理になると足が重く怠くなる
・生理時に下肢の痛みが起こる

といった特徴がありますが、この症状に関しては例外的に、出産後に症状が自然治癒する可能性があるため、出産後半年ほど経過観察を行います。それでも「陰部静脈瘤」の症状に改善が見られない場合には、「硬化治療」によって静脈瘤を解消します。

下肢静脈瘤の検査方法とは

専任の医師が超音波検査を行います

岡山下肢静脈瘤クリニックでは、下肢静脈瘤の治療の中でも主である超音波検査(エコー検査)による確定診断を行います。

安達 憲一郎(あだち けんいちろう)医師

▼超音波検査の手順
・皮膚にゼリーを塗る
・体の表面から超音波の機器を当てて静脈を調べる
・検査は10分程度で完了し、検査中も検査後も痛みはない

昔ながらの下肢静脈瘤検査として「静脈造影」と呼ばれる、注射やレントゲンでの造影が必要な身体にとって負担の大きい検査方法がありますが、当クリニックでは「超音波検査(エコー検査)」を主としておりますので安心してご来院ください。

よくあるご質問

岡山下肢静脈瘤クリニックで初診を受ける場合、費用はいくら程度になりますか?
健康保険を適応することができるため、たとえば、1割負担の患者様は初診料900円程度、3割負担の患者様は初診料2,700円程度となります。健康保険の適応価格および診察における報酬については、全国統一の費用を採用しておりますので、他院との違いはございません。費用に関する情報については【費用について】のページをご覧ください。
健康保険を利用したいのですが、可能でしょうか?
岡山下肢静脈瘤クリニックでは、すべての下肢静脈瘤の予防・治療・手術で健康保険を適応することができます。患者様の自己負担金額は1〜3割程度となるため、安心してご来院ください。【くわしくはこちら
下肢静脈瘤は放っておいても治るものですか?自分では治せないのでしょうか?
下肢静脈瘤の症状は進行性であるため、放っておいてしまうと治るどころか症状は悪化する可能性が高いです。症状が重症化すると、血栓(血の塊)による炎症、皮膚の黒ずみ、潰瘍による皮膚のただれ、出血などが発生する場合もあります。なお、かなり軽度の症状であれば、ご自身でのマッサージや生活習慣の見直しで改善される場合もありますが、治る事例は極めて稀であるため、通院による正しい治療が必要です。できる限り初期症状の段階で治療を行うことをおすすめします。【くわしくはこちら
下肢静脈瘤の手術には、どれくらいの時間がかかりますか?
硬化治療は約10分、血管内焼灼術およびレーザー治療は約30分となります。なお、血管内焼灼術およびレーザーによる治療をお受けになる場合は、施術に関する説明や準備時間などもあるため、3時間程度の滞在時間をお考えいただければ良いでしょう。【くわしくはこちら
血管内焼灼術およびレーザーによる治療1回で、下肢静脈瘤は治せますか?
血管内焼灼術およびレーザーによる治療を受けた患者様の100人中96人が、1回の手術で完治していると報告されています。再発率は4%程度であり、もしも症状が再発した場合も、その後に治療を続けることで完治する可能性が高くなります。【くわしくはこちら